【評価テンプレート】評価テンプレート設計の考え方
評価フロー・シートの区切り方・セルタイプ・権限を、どういう順番で何を基準に決めるかの考え方です。
評価テンプレートの設計は管理者が行います。この記事は、自社の評価制度を評価テンプレートでどう表現するかを考えるためのもので、画面の操作手順は評価テンプレートを作成するで説明しています。
決めることは4つある
評価テンプレートは、次の4つを決めれば出来上がります。
- 評価フロー — 誰がどの順番で記入・提出するか
- セクションとテーブル — シートをどこで区切るか
- セルタイプ — どの欄をどの入力形式にするか
- 権限 — 誰にどこを見せるか、誰にどこを書かせるか
この順に決めると手戻りが少なくなります。権限は評価フローが決まらないと決められず、計算式はセクションやテーブルをまたいで他のセルを参照するためです。あとから段階を足したり構造を変えたりすると、見直す範囲が広がります。

評価フローから決める
評価フローは、評価シートの記入・提出の段階です。「本人記入 → 一次評価」のように、誰がどの順番で提出するかを表します。
評価フローは評価テンプレートで決まります。そのテンプレートを使う評価プロジェクトの側では、段階の数も順番も変えられません。一方で、セルの権限は「どの評価ステップの間だけ編集できるか」まで指定します。あとから変えられないものであり、かつ権限の前提になるものなので、最初に決めます。
決めることは3つです。
- 何段階にするか — 最大10段階です
- 各段階の名前 — 8文字以内です。記入者の画面にそのまま表示されます
- 各段階の提出を、被評価者と評価者のどちらが担当するか — 評価者が担当する段階が最低1つ必要です
最小の構成は「本人記入 → 一次評価」の2段階です。ここに二次評価を足す、期初に立てた目標を評価者が承認する段階を足す、というように、必要なぶんだけ段階を増やします。
段階を増やすと、前の段階が提出されるまで次の担当者は書き込めないため、そのぶん全体の期間が延びます。実際にそこで判断が変わる段階だけを置くと、運用が軽くなります。逆に、記入者が同じで内容も続いているだけなら、無理に段階を分ける必要はありません。
セクションとテーブルは、記入者に見える区切り
シートの構造は「セクション → テーブル → 行と列 → セル」の入れ子です。
記入者が開く評価シートでは、この構造がそのまま画面の区切りになります。
- セクション名 — 大きな見出しとして表示されます。セクションごとに1つの枠にまとまります
- テーブル名 — セクションの中の見出しとして表示されます
- 列名 — 表の列の見出しとして表示されます
つまり、どこで区切るかを決めることは、記入者に画面をどう見せるかを決めることです。これが分け方を決めるいちばんの判断材料になります。迷ったときは、記入者が画面を見たときにひとまとまりとして読んでほしい単位で区切ってください。

区切り方の例
よくある分け方をいくつか挙げます。どれも成り立つ分け方で、優劣はありません。
上期と下期でセクションを分け、中を業績・行動のテーブルに分ける
上期と下期を1枚のシートで扱う制度なら、まず期間で区切ると、記入者は自分がいまどちらの期間を書いているのか迷いません。業績と行動は、そのセクションの中のテーブルとして分けます。
年間で1サイクルなら、業績と行動をセクションにする
期間で分ける必要がなければ、ひとつ上の例でテーブルだった業績・行動を、そのままセクションに上げられます。評価する内容は同じでも、評価のサイクルが変わるだけで構造は変わります。
評価項目のテーブルと、集計結果のテーブルを分ける
評価項目を記入する表と、そこから計算した小計・合計を表示する表を、別のテーブルにします。記入する欄と自動で出る数字が混ざらないため、記入者が「どこを書けばいいのか」で迷いません。集計結果のテーブルだけ被評価者に見せない、といった権限の設定もしやすくなります。
区切らず、1つのセクションに全部入れる
項目数が少ないシートなら、区切らないほうが読みやすいこともあります。セクションが1つでも、テーブルの中に必要な行と列がそろっていれば評価は成り立ちます。
同じ制度でも、分け方は捉え方で変わる
上期・下期で区切る例と、業績・行動をセクションにする例は、評価する中身が同じでも構造が違います。逆に、まったく違う評価制度でも「評価項目のテーブル+集計結果のテーブル」という似た構造になることはよくあります。
分け方に唯一の正解はありません。 自社の制度をそのまま写し取ろうとするより、記入者が見る画面を確認しながら、読みやすい区切りを選んでください。
構造を決めるときに知っておきたい制約
- 新しく作ったテーブルは1列1行から始まります。 列と行を足して表の形にします
- セルの結合はできません。 テーブルは常に行と列の格子が保たれます。表計算ソフトで結合していた表は、行と列で表現し直してください
- セクション名・テーブル名・列名を変えても、その名前を使っている計算式は自動で追従します。ただしずれることもあるため、構造や名前を変えたあとは計算式を確認してください
- 行を並べ替えたときは、計算式の中の「{2行目}」のような行の指定も自動でついてきます。並べ替えのために計算式を書き直す必要はありません
セルタイプを選ぶ
セルタイプは、そのセルを記入者がどう扱うかを決める設定です。次の6種類から1つを選びます。

新しく作ったセルは、はじめはすべて「固定テキスト」です。 固定テキストは記入者が入力できないため、記入してほしい欄はセルタイプを選び直す必要があります。最初につまずきやすいところなので、表の形ができたら入力欄のタイプを確認してください。
列ごとに、次の順で判断すると迷いません。
- 記入者に入力させる欄かどうか。 項目名・説明文・注意書きのように読ませるだけの欄は、固定テキストのままにします。テーブルの1列目を項目名の列にするのが典型です
- 入力させるなら、答えが決まっているかどうか。 「S・A・B・C」のように段階が決まっているなら選択肢です。選択肢には点数を持たせられ、その点数を計算式から参照できます。記入者には文言だけが見えたまま、集計は点数で行えます。段階が決まっているのに数値で入力させると、表記のゆれや打ち間違いが起きます
- 答えが決まっていないなら、数字か文章か。 点数・達成率・金額は数値です。上限・下限を設定すると、桁の打ち間違いをその場で止められます。文章なら、短い一言はテキスト、複数行はテキストエリアです。テキストエリアは文字数の下限も設定できるので、「ひとことで済ませてほしくない」欄に向きます
- 他のセルから求まる数字は、記入させずに計算式にします。 小計・合計・換算を記入者に計算してもらうと、そのぶん転記の誤りが入ります
各タイプで設定できる項目と、記入者からの見え方はセルタイプごとの設定にまとめています。
権限を決める
権限は担当ごとに決めます。「編集可能」にした担当については、どの評価ステップの間に編集できるかまで指定します。評価フローが決まらないと権限を決められないのは、このためです。
はじめは、どのセルも全員が「閲覧可能(常時)」です。 隠したいものや書かせたいものがある場合だけ設定すれば十分で、すべてのセルを一つずつ触る必要はありません。
決めるときの観点は4つです。
- 書かせる範囲 — 各担当が自分の番で埋めるセルはどれか。そこを「編集可能」にします
- 見せる範囲 — 他の人が書いた内容を見せるかどうか。特に、評価者が付けた点数やコメントを被評価者に見せるかは制度上の判断が必要です。見せないなら「閲覧不可」にします
- 見せるタイミング — 「閲覧可能(公開期間終了後)」を選ぶと、公開期間中は隠しておいて、終わってから開示できます。先に他の人の評価が見えると判断が引きずられる、という懸念があるときに使います
- 書き換えを防ぐ — 提出済みのステップは編集できなくなります。「本人記入で書いた内容を、一次評価に進んだあとに本人が直せない」は、特別な設定をしなくても実現されます
設定の手順はセルごとの権限を設定するを参照してください。
作り始める前に決めておくこと
画面に向かう前に、次の4つが手元で決まっていると、ほとんど迷わずに作れます。
- 評価フロー — 段階の数、各段階の名前、各段階を被評価者と評価者のどちらが担当するか
- 構造 — セクションとテーブルの区切り方、各テーブルの列
- セルタイプ — どの列をどの入力形式にするか
- 権限 — 誰に見せないか、誰にどの段階で書かせるか
この順番に意味があるのは、権限が評価フローに、計算式が構造に依存するからです。あとから段階を足したり構造を変えたりすると、権限と計算式を見直すことになります。
完成形のシートを紙に手書きしてから画面に向かうと、この手戻りをほぼ避けられます。シート1枚を最後まで組み立てる例は加重合算評価シートの作成チュートリアルで説明しています。